「安全性」と「快適性」を支える
技術職のエキスパートを目指します
#総合職掌技術職
小室 雄
ANAラインメンテナンステクニクス(出向)2010年度入社-
小型機専門の航空会社だから
知識や技量を深く追求現在、ANAウイングスはDHC-8-400とB737-800の2種の小型機を運航しています。私はもともといろんな機種に広く浅く携わるより狭い範囲を深く追求してみたいと思っていたので、小型機専門のANAウイングスは望むべき環境。整備士として、ANAウイングスの前身の会社に入社しました。
入社当初は先輩の仕事ぶりを見て「無理!こんなこと自分にはできない!」と及び腰になることも多々。専門学校で飛行機に触れることもあったのですが、プロの最前線の現場は別世界。先輩方の知識や技量の高さに驚かされる毎日でした。
現在は、機体の定期的なメンテナンスや点検、不具合への対応など整備全般を担当しています。中でも、定期点検や整備など工程が決まっている業務に比べて不具合への対応はとりわけ経験の豊富さが求められます。というのも、コックピットの中だけでも3桁にのぼるスイッチの種類があり、仮に1つのシステムに不具合が出た場合、元となる原因を特定するトラブルシューティングは想像以上に難しいからです。構造や配線を正確に頭にえがき、過去のケースを呼び起こしながら、範囲を狭めていく。いろいろな可能性を探りチームで原因を見つけ出した時は、大きな達成感を感じます。整備士として知識や経験が試される緊張感はありますが、その分だけ解決したときの喜びもひとしおです。 -
先輩から受け継いだ仕事の基本「焦るな、急げ」の大切さを実感
先輩から多くの学びをいただきましたが、その中でもっとも印象的な言葉が「焦るな、急げ」です。これは、どんな状況下でも常に冷静さを失わず、頭と体はフル回転で問題解決にあたるという整備士の理想的なスタンス。時間に限りがある出発便に不具合が出た場合などは特に、早くしなければとイライラしたり落ち着きを失いがち。頭では「焦るな、急げ」と理解していても、相当に難しいのが現実です。私が初めて感情を“凪”の状態に保ったまま対処できたと感じられたのも、後輩の指導を担うようになってから。つまり、自らの判断に自信が持てなければ実現できない知識や経験のものさしとも言えます。これからも、常に学ぶ姿勢を忘れず「焦るな、急げ」を有言実行していきたいと考えています。
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機種ごとのライセンス取得は
お客様の安全を支える基盤私は2013年にDHC-8-400の一等航空整備士を、その後B737、A320と機種ごとにライセンスを取得しました。ANAウイングスの総合職掌技術職は、これらライセンス取得も重要な仕事の一環です。航空機は膨大な部品の複雑な集合体。機体の構造やエンジン、機械系はもちろんのこと、装備品やシートなどの什器、航空法規に至るまで、幅広い知識を吸収しなければなりません。業務と並行しての受験勉強は、ときに厳しいと感じることもありますが、お客様の大切な命を守ることが私たちの最大のミッション。たとえつまずいても諦めないメンタルの強さが大切です。
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働きやすさとチャレンジ精神を。バックアップする社風と制度
現在、ANAウイングスの男性社員の育児休職取得率は約6割と、男性の育児休職も特別なことではなくなりました。私も積極的に育児をしているので、子育てを応援する社風や制度の充実はとてもありがたいです。
また、整備士からテクニカルサポートや管理といった地上職に異動するなど、多彩なキャリアパスがあり、さまざまな道にチャレンジできる制度も総合職掌技術職の特長だと思います。ただ私の場合は、あくまでも整備士のエキスパートを極めていくことが目標。定時出発・定時到着を維持することはもちろん、お客様に「安全性」と「快適性」でご満足いただける“良い飛行機”をつくっていきたいと思っています。
1日のスケジュール(夜勤の場合)
- 起床
- 家事、育児
- 出社
- 定期的な点検・部品交換などのメンテナンス
- 休憩
- デブリーフィング
- 退社
- 帰宅